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新年のご挨拶 2017

img_kinoshita.jpg院長 木下 昭生

明けましておめでとうございます。旧年中は当病院をご利用いただきましてありがとうございました。心より御礼申し上げます。

さて、昨年を振り返りますと“ひとのいのち”が問われた1年ではなかったかと思います。ベルギー、フランス、ドイツ、トルコなどでテロ事件が多発、7月にはバングラデッシュで日本人を含む多くの人命が失われました。いずれもISとの関連が推測されています。そのISにも影響を受け、歴史的な大きな2つのうねりが起こりました。1つは、イギリスのEU離脱、もう1つはアメリカで次期大統領にトランプ氏が選ばれたことです。この2つの出来事は、いずれも事前の予想を覆すもので、しかも国民投票や大統領選という正しくその国の国民一人ひとりが選択した結果でした。その根底には内戦や貧困に端を発する難民や移民の増加に反対する大国の意志が働いたと見られています。シリアの内戦のため命からがら避難した難民をどの程度受け入れるべきか。自分の職を奪われることがあっても受け入れるべきか。イギリス国民は、EUを離脱して難民受け入れを制限する道を選びました。移民の国を謳ってきたアメリカでは、メキシコなど中南米諸国からの移民を制限し、保護主義を訴えたトランプ氏が次期大統領に選ばれました。8年前オバマ大統領がChangeをスローガンに登場したときの世界の熱狂ぶりとは異なり批判も多いようです。強いアメリカを取り戻すことができるか、今後の成り行きが注目されます。
一方、わが国では大きな災害が相次いだ1年でした。4月には気象庁観測史上初めて震度7を2度記録するという熊本地震が発生し、多くの犠牲者を出しました。熊本城、阿蘇、由布院などの観光地にも大きな被害が見られました。夏には北海道への3連続の台風の襲来があり、農作物へ多大な被害を及ぼしました。年末には新潟県糸魚川市で大火災が発生し多くの人が家を失いました。また、相模原市では障害者大量殺傷事件、横浜市の病院では点滴による無差別殺人事件という猟奇的な犯罪が発生しました。“ひとのいのち”の尊さが忘れられた哀しい出来事でした。そのような中で、太平洋戦争後71年でオバマ大統領が5月に広島訪問、安倍首相が12月に真珠湾を訪問し平和を訴える演説を行ったことは心に残る出来事でした。
日本は世界に類を見ない少子超高齢化社会に突入し様々な問題に直面しています。特に、社会保障の分野ではオプジーボという新薬の登場で、多くのがん患者に希望を与えたのと同時に、医療経済面への影響が大きく公的保険の存続にも影響を及ぼしかねないと緊急に薬価が引き下げられました。日本にもイギリスのNICEの様なQALY(質調整生存年)の概念が導入されるべきか、“ひとのいのち”をどう評価するか議論を呼びそうです。

明野中央病院は、3月にはいよいよ新病院の完成を予定しており、更に地域に根ざした病院として新しいスタートを切りたいと考えています。
皆様にとって、今年が素晴らしい有意義な1年になることを祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。

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