診療科紹介

ペインクリニック内科(痛みの治療)

一人ひとりの意向やライフスタイルに合わせて気になる“痛み”を専門的に治療

ペインクリニックとは…

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ペインとは“痛み”のことです。当院のペインクリニックは、さまざまな“痛み”に特化した専門的治療を行い、患者さんが抱える“痛み”の緩和を目的とした診療科です。痛みがあればすべてペインクリニックで治療というわけではなく、必要があれば原因となる疾患の診療科と連携し治療にあたります。一般的には、病気や治療に伴う痛みに対して、根本的な原因が明確になれば、原因となっている疾患を手術などで治療していきます。しかし、何らかの理由でその痛みに対する手術などの根本治療ができない(したくない)、治療は終えたが痛みが残る、そもそも痛みの原因となる疾患に対する根本治療がない、痛みの原因が特定できていない、などのケースも存在します。そのような場合は、主に痛みの原因に合わせた鎮痛剤による薬物療法や痛みを感じている神経のそばへ薬剤を注射する神経ブロック療法などで対応していきます。

ペインクリニックができること

 

  • ケース1 手術せずに痛みを和らげたい

例えば、年齢や性別に関係なく現れる「椎間板ヘルニア」。椎間板の内部にある髄核というゼラチン状の組織が一部飛び出して、神経を圧迫し炎症が起こることが痛みの原因です。根本治療を目指す場合は、神経に当たっている髄核を取り除く手術という選択になります。しかし、仕事や学校を休んだりするのが難しい、家やお店を長期間空けられないなどの諸事情や、全身麻酔や長期入院といった手術のリスクやデメリットを考えたうえで、急がなくていいので、手術や入院をせずに治療したいという患者さんは多くいらっしゃいます。そういう場合はペインクリニックが一つの選択肢となります。

 

  • ケース2 古傷が痛む

昔ケガや手術をし治療は済んだが、例えば雨の日にその傷が痛む方もいらっしゃいます。傷ついた神経が自然に再生する際に間違った神経と結びつき、通常では痛みを感じないはずの湿気や気圧の変化で痛みを感じることがあるのです。これは神経痛なので、手術や傷の治療をした整形外科の治療範囲ではなく、ペインクリニックで診察や治療を担当します。ただし、同じ個所に気づかぬ間に再びしたケガが、痛みの原因かもしれません。この区別には整形外科の診察が必要です。 ペインクリニックの治療では、通常まず内服薬から始めます。段階的に薬の種類や量を試しながら、症状を確認していきます。それでも痛みの緩和が不十分な場合や、眠れないほど痛みが強い場合は、早い段階から神経ブロックが診断をかねた治療法として有用です。神経ブロックにより血流が増加するので、神経の再生が促進される効果もあります。

 

  • ケース3 通院を重ねているが痛みが治まらない

長期にわたって通院していても改善されない痛みを抱えたまま暮らしている人は少なくありません。それまで積み重ねた治療の経緯や生活状態などを患者さんご本人からよくお話を聞き、多角的な見方で痛みにアプローチするのがペインクリニックです。手術時の麻酔の技術や薬剤に関する知識を応用し、整形外科や内科とはまた別の視点で痛みの原因箇所を見極めながら専門的な診療を行います。

 

  • ケース4 帯状疱疹の後の痛み

そのほか、帯状疱疹後の神経痛もペインクリニックの対象です。もちろん、まず皮膚科もしくは内科で抗ウイルス剤を用いた治療をします。その後、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれなどの皮膚症状が治ると通常痛みも消えます。しかし、皮膚症状が治まった後も痛みが続く、あるいは痛みの種類が耐え難いものに変化し持続することがあります。これが帯状疱疹後神経痛です。数年にわたって痛みが続く方もいらっしゃいます。ウイルスの治療は終わっているので、患者さんは行き先に困ります。こういう場合はペインクリニックに来ていただければ対応いたします。

 

“痛み”のない日常で生活の質が向上

ヒトの感じる疼痛(痛み)はさまざまです。刺すような痛みや鈍い痛みなど、医師への説明が難しいケースも少なくありません。また痛みへの耐性も個人差が大きく、程度や感じ方も人それぞれです。ただ、慢性的な痛みはQOL(Quality Of Life:生活の質)やADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の低下を引き起こし、長期化するほど仕事や日常生活に支障をきたします。整形外科とペインクリニックを備えている当院は、痛みの程度や症状、希望する治療法などにもよりますが、一人ひとりのライフスタイルや意向に合わせてサポートできます。

ちょっと深堀り

神経ブロックってどんな治療法?

神経ブロック療法とは、痛みの原因となっている部分やその周辺組織に局所麻酔剤などを注入し、「痛みを伝える神経(知覚神経)の一時的な遮断(ブロック)による除痛」、「血管を収縮させる神経(交感神経)の一時的な遮断(ブロック)による血流改善」、そしてこれらの作用に基づき痛みの悪循環を遮断する効果があります。また、神経ブロックを行い、痛みが緩和されるかを確認することで原因が特定できる場合もあります。

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医師のご紹介


痛みセンター長
高谷 純司
専門分野 ペインクリニック、手術麻酔、神経ブロック
資格等

・麻酔科標傍医
・日本麻酔科学会認定麻酔科専門医
・日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医(学会評議員)
・日本臨床麻酔学会教育インストラクター(神経ブロック)
・日本区域麻酔学会指導医
・日本ペインクリニック学会ヘルニコア実施可能医師

趣味・特技 日曜大工、旅行
患者さんへメッセージ 慢性痛や治療に伴う痛みをできるだけ軽減し、みなさんが楽に過ごせるよう努めます。
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